春の選抜高校野球と夏の選手権では、出場校の決め方が異なります。

春の選抜は全国から32校が出場しますが、これらの校は地方大会で優勝するだけではなく、選抜高校野球大会出場校選考委員会が選びます。

また、選抜においては、21世紀枠が設けられています。これらを詳しく解説します。

選抜高校野球の出場校はどうやって決めてるの?

選抜高等学校野球大会の出場校は、選考委員会が決定します。選考委員会は、高野連や後援者などから構成されています。

選考過程には、客観的な大会成績を基にしつつ、選考委員会の評価も一定の役割を果たします。もちろん、選考は極端な主観ではなく、適切な判断が行われることが期待されます。

選抜高等学校野球大会の出場校数は基本的に32校で、これらの校は各地域の代表校として選ばれます。都道府県の代表というより、地域全体を代表する高校が出場することになります。

春の選抜出場は32校

春の選抜高校野球大会における参加32校は、記念大会を除くと、秋の各地区大会成績に基づいて選ばれる。

地区は北海道、東北、関東、東京、北信越、東海、近畿、中国、四国、九州の10エリアに分かれ、それぞれから28校が選ばれる。さらに21世紀枠で3校が選出され、明治神宮大会の優勝校が無条件で1枠獲得するため、合計で32校が参加となる。

毎年1月下旬に開催される選考委員会では、午後3時から北海道から順番に各校名と選出理由が発表される。

大会までの約2ヶ月間に万が一の事態が起きた場合を考慮し、各地区から補欠校が選ばれ、代替出場が可能になるよう準備されている。

21世紀枠

21世紀枠は、現在定着している制度で、2001年の第73回選抜高等学校野球大会から導入された特別な出場枠です。この枠は、部員不足、専用グラウンドがない、豪雪地帯で練習が難しいなど、困難を乗り越えた学校が対象となっています。

選定基準は以下の通りです。

・少数部員や施設面のハンディ、自然災害などを克服

・学業と部活動の両立

・予選で優れた成績を収めるも甲子園出場が叶わない

・創意工夫を凝らした練習で成果を挙げる

・校内や地域での活動が他者に好影響を与える

ただし、単に困難を克服しただけではなく、一定の競争力も求められます。

選出基準には、各地域の秋季大会でベスト16以上(128校以上参加の地域ではベスト32)の成績が条件となります。

この条件を満たした高校が各都道府県から1校ずつ推薦され、各地区で1校に絞られた後、選考委員会において「東日本1校、西日本1校、東西問わず1校」の合計3校が選出されます。

明治神宮大会優勝枠

2003年の第75回大会から導入された神宮大会枠は、明治神宮野球大会(高校の部)が秋季大会地区優勝校10チームで行われます。

9地区の代表校が参加するはずですが、東京代表は関東大会に出場せず、東京大会優勝時に神宮大会出場が決まります。

神宮大会で優勝した場合、優勝校の所属地区に1校の出場枠が追加されるルールがあります。例えば、大阪府の高校が神宮大会で優勝すると、近畿地区の枠が通常の6校から7校に増加します。

また、大会の成績によっては、1つの府県から3校が選出されることもあります。

この点は、夏の大会とは異なる特徴です。

選抜高校野球出場校の発表はいつ?

選抜高等学校野球大会への出場選考において特に重要な大会を以下にご紹介します。

9月~10月:各県の秋季大会
秋季大会は各都道府県で開催されます。夏の甲子園出場校は新チームで直後に大会が始まるため、まだ戦力が整わないこともあります。

10月~11月:各地区の秋季大会
各県で上位成績を収めた高校が出場できる大会です。各県大会での上位校が地区大会に挑戦し、ここでの上位成績が甲子園出場にとって重要です。

11月:明治神宮大会
各地区大会の上位10校で開催され、優勝するとその地区の出場枠が増え、選抜大会への出場確率が高まります。

11月末:一般枠および21世紀枠の県推薦
秋季地区大会の結果をもとに、各県の高校野球連盟が一般選考枠校と21世紀枠校を推薦します。

12月:21世紀枠候補の絞り込み
各県が推薦する21世紀枠候補校が10校(各地区1校ずつ)に絞られます。

1月末:出場校の発表
選抜高校野球大会運営委員会で出場校が発表され、甲子園出場が決定します。ただし、発表から大会まで約2ヶ月あり、問題が起きた場合には出場が取り消され、代わりに補欠校が選ばれます。